カナシブリン

主にシンデレラガールズについて思った事をつづっていきます

3年前の夏との再会

人生には岐路ってものが誰しもあると思います。

大きいものから小さいものまで、選択して先を決めていかなければなりません。

でも、自分の選択だけでは全てを決めることはできません。人のくれた選択肢から選ばなければならない時もあります。

理不尽にも思えますけど、それは生きていく上で付き物です。幸い、私はこれまで良い縁にたくさん恵まれてきたと思います。むしろ、自分を選んでくれたことで相手に不利益を被らせてしまったのではないかと不安になるくらいですよ。

 

なぜ今日こんな話をしているかと言いますと、本日は人生の次の道が人の手に委ねられて決まる一大エンターテイメントがあったからです。

プロ野球ドラフト会議、プロ野球に興味が無い人でもニュースで聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。

今年もたくさんの若人の次の道が敷かれました。その道を選ぶかは個人の自由ですが、指名された多くの選手はそのまま入団することになります。プロ野球というステップには進めますが、どこに入るのかは時の運次第。

歴史にも人生にもifはありませんので、進める場所で自分がどうするのかが大事になっていきます。個人事業主という不安定な立場で、1年先の自分のこともどうなるかわかりません。

人生を1つのことに捧げて、その道を生きていく方法にする。どの分野のプロフェッショナルにも言えますが、私はそんな人間をリスペクトできる人間でありたいと思います。

 

悟ったようななことを言っていますが、私は自分の進んだ場所できちんと頑張れたと胸を張れる人間ではありません。でも、全力で進む人たちを眩しいと思えますし、応援できると思えばそんなに悪いことではないのかもしれませんね。

 

 

今年のドラフト会議、2巡目の指名で思わぬ名前と再会しました。

西武ライオンズ2巡目の浜屋将太選手です。

高校卒業後、社会人に進んで、今年指名を受けました。私はプロ野球と甲子園はそこそこ見ますが、アマチュア野球にそこまで詳しいわけではないので、今年のドラフト候補に挙がっていることを知りませんでした。

彼の出身校は鹿児島県の樟南高校高校野球を見る人なら聞いたことのある名前だと思いますし、エース浜屋投手を知っている方も多くいらっしゃると思います。

甲子園大会が狭き門とはいえ、そこに出場している選手は相当数に上ります。プロ注目の選手や話題性のある選手はニュース等でも取り上げられますが、ほとんどの選手はなかなか取り上げられません。実際、浜屋選手も好投手くらいの評価で、甲子園でもそこまで大きく取り上げられていた記憶はありません。

ただ、その年の樟南高校が甲子園に出場するにあたって繰り広げた激戦は、他になかなか類を見ないものでした。

 

2016年の鹿児島大会、準決勝には私学が2校、公立が2校勝ち上がっていました。

奇しくも準決勝はそれぞれ私学と公立が激突する組み合わせになり、浜屋選手の樟南高校は第2試合で川内高校と対戦することが決まっていました。

当時鹿児島在住で、準決勝と決勝が行われる週末に何も予定が無かった私は、準決勝当日の土曜日に鴨池球場へと観戦に。住んでいた家から自転車で10分もかからないところに球場があったもので…。

第1試合から見続け、第2試合に。

この第2試合は熱い投手戦になり、試合は9回へ。

9回、樟南高校は川内高校エースの帖佐投手から2点を勝ち越し。土壇場でしたし、流石に勝負あったかなと思いました。

しかし流石は筋書きの無いドラマ。疲れも見える浜屋投手から6番打者が2ランホームランを放ち同点。試合は延長戦へともつれ込んだのでした。

延長戦は両チームランナーを許しながらもホームインは許さず、緊迫したイニングが続きました。

均衡が破られたのは延長13回。樟南高校が再び帖佐投手を捕まえ、2点を勝ち越し。ここでついに川内高校が力尽き、5対3で勝利した樟南高校が甲子園のかかる決勝へと進出しました。

この試合で川内高校の帖佐選手が打席に立つたびに贈られていた、「We Will Rock You」に合わせての、ちょーさ!りゅーせい!というコールは今でも鮮烈な印象を私の耳に残しています。

 

ここまでの名試合を見せられたら、決勝も見届けるしかない。当然翌日も鴨池球場へと足を運びました。

この決勝戦も素晴らしい熱戦に。前日13回を完投した浜屋投手はリリーフで登場し、見事なピッチングを披露します。対戦相手の鹿児島実業もエースが好投し、試合は連日の延長戦へ。

浜屋投手はリリーフとはいえ、この日もほとんど一試合分を投げ切りました。両チーム延長15回まで譲らず、2016年の鹿児島大会決勝は引き分け再試合へと決着を持ち越すことに。

再試合は平日の火曜日でしたが、ここまで追ってきて決着を見逃すわけにはいきませんよね。都合をつけて観戦に行きました。

再試合も1点差の緊迫した試合になりましたが、3対2で樟南高校が勝利し、甲子園への切符を手にしました。当時の結果を見返すと、この試合の浜屋投手は先発で4回2失点、リードの状態で2番手ピッチャーへと託したようです。

 

樟南高校が戦った準決勝からの3試合、私が今まで見てきた野球の試合の中で、もっとも印象に残っています。

同時に、マウンドで左腕を振り続けた浜屋投手の姿、そして川内高校の帖佐投手への応援が忘れられません。

現地であれほど手に汗を握った試合も、どちらにも負けて欲しくないと思った試合も、この樟南高校対川内高校の試合を置いて他にありません。

そして今年、浜屋選手の名前を再び見られるとは!しかも今後はプロ野球でその名前をたくさん聞くことになるかもしれません。

きっと私は浜屋投手を見るたびにあの時のことを思い出すでしょう。今までも好きな選手はたくさんいましたが、プロ入り前から自分にとっての思い出の選手という方はなかなかいません。来年以降のプロ野球に、楽しみが1つ増えました。

ライオンズは投手陣の整備が急務ですので、浜屋選手の早い活躍を期待しています。

がんばれ!浜屋選手!