カナシブリン

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U149第36話 第3芸能課⑨ 感想  上司は難しい

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ここのところU149の感想を更新前の金曜日に書き上げることがなかなかできていないのですが、今日こそは。

 

前回は、デビューのために課されていた再生数に達しなかったものの、期間終了後に再生数が爆上げ。きっかけこそ先輩アイドルでしたが、そこにただの話題性だけでなく小さなアイドル達が評価されていることを感じたプロデューサーが改めてデビューを直訴しました。

果たしてデビューできるのか、という第36話。

 

 

都合がいいのは承知の上で、改めて訴えかけるプロデューサー。上司も理解は示しますが、この要素だけでは期間内の目標未達という事実を覆す程の力は持ち合わせません。動画の評価が一過性のものかもしれないという指摘は、私も至極真っ当なものだと思います。

しかし、ここでちひろさんから援護射撃。なんと、話題になってから既にいくつかの連絡がきていました。Webニュースに、以前ゲスト出演したお昼のワイドショー。複数からお話があるのは説得力が増しますよね。

この話を受けて、さらにデビューを訴えかけるプロデューサー。この勢いは若さっていうとても大きな武器だろうなと思います。諸刃の剣にもなりますけど、前に進もうとできるのは大きな力です。

 

ここでは判断を迫られる上司の立場がキツイですよね。葛藤。

元々この人だってデビューをさせたくないわけじゃないんです。でも、会社のこともアイドル達のことも考えた場合、もし一過性の勢いだとすれば、どちらにも大きな損失が出ます。下手に軌道に乗せそこなってしまえば、第3芸能課の子達の将来の芽も摘みかねません。だからこそ全員デビューにも難色を示したんだろうなと私は考えています。

言い方は悪いですけど、全員デビューだとリスクを分散できませんよね。売り出し方も難しいと思いますし、経験もまだ浅い第3芸能課のプロデューサーには厳しいという判断だったんだろうと思います。

 

様々なことがこの人の頭の中で駆け巡ったことでしょう。苦悶の表情のリアルさにクルものがあります。立場が上ってのも大変なものです。

熟考の末、遂にその口から「デビューの方向で話を進めよう!」という言葉が出てきました。ただ、純粋なデビューではありません。

上司が提示したのは、デビュー。彼は補欠合格のようなものだ、と表現していました。

ぞんざいには扱わないけれど、他のデビューしているアイドルと同等の扱いはできないってことですね。事務所の力で推薦という形ではなく、自分達の力で掴みとれ。なかなか厳しいメッセージでもあります。

全員デビューの企画に続き、今回も一定の譲歩を引き出したプロデューサー。上司からの言葉を受け止め、自らのアイドル達に結果を報告するべく戻っていくのでした。

 

準デビューという結果をアイドル達に伝えたプロデューサー。その結果に対して思い思いの反応をするアイドル達に、彼は頭を下げました。謝る前の申し訳なさそうな表情がグッときます。

自分が力不足だから"準"という形になってしまった。条件未達は自分のせいだ。

頭を下げる彼に対し、アイドル達はプロデューサーが来てくれたからこそここまで来ることができたと認めてくれます。14ページ目のありがとうの言葉がホント涙腺にクル。プロデューサーも誠実な人なら、そのアイドル達もまっすぐで本当に良い子達。謝られてビックリしているところがなおさらね。

今回もやっぱりこの子達は前を向いていて、先へ進もうとしているのでした。

そんな姿を見て、思わず涙するプロデューサー。みんなに囃し立てられながら、第3芸能課にはいつものわちゃわちゃとした時間が流れるのでした。

 

 

後半のアイドル達がプロデューサーにお礼を言うシーンあたりは、ここまでの総決算と言っていいんじゃないでしょうか。

プロデューサーが来てから動き始めた時間、プロデューサーがアイドルを助け、時にはアイドルにプロデューサーが救われることもあり、準デビューという1つの節目に辿り着きました。

アイドル達がまっすぐないい子達だからすんなり進んでいるって面もありますけど、やっぱりこの空間を作り出したのはこの誠実なプロデューサーです。彼の頑張りが1つ報われて良かったなと思いました。

また、彼がずっと持っている1つの特徴として、抱え込みがちなところと自罰的なところが今回改めて見えました。これはみりあちゃん編と鴨川ロケ編で顕著でしたよね。これは誠実さと背中合わせになっていますし、経験が1つの解決に繋がるものだとは思います。

プロデューサーのこの性格を考えた時、千枝ちゃんにも結構当てはまる部分があるなと思いました。そんな千枝ちゃんを初めてのステージのリーダーに彼が選んだってのは個人的に少し面白いと思う部分です。

 

 

さて、次回以降はどう展開していくんでしょうね。このまま第3芸能課が準の文字を取り払うまでの様子を全体で描いていくのか、それとも再び誰かにスポットを当てて描いていくのか。

2時間後を楽しみにしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

余談。

3巻収録の千枝ちゃん編。何度読み返してもいい話。これだけは何度でも書きたいし、伝えたいなって思います。