カナシブリン

主にシンデレラガールズについて思った事をつづっていきます

速水奏のソロ2曲目「if」に想うこと 人の感想を見て

先日発売された世直しギルティのCDに収録されている、速水奏のソロ2曲目「if」。

1曲目の「Hotel Moonside」からは全く違うバラードになりました。

本日は奏の誕生日。何かしたいとは思いつつ、ここしばらく時間がとれず、何もできませんでした。しかし私もPのはしくれ、この誕生日に何かしたい。

そこで、お粗末ではありますが、自分が「if」を聴いてから考えたこと、見たことについて書いていきたいと思います。

 

最初に言っておきますと、上に「見たこと」とあるように、中盤は人が作った考察を主軸において書いていきます。私が無い文章力や知識でつらつらと書き連ねるよりはその方がよっぽど良い。

 

 

まずは試聴時点でのお話を少ししましょうか。

試聴が公開された時点で、結構な賛否両論を見ました。正直、速水奏の新たな歌声を聴ける時点で幸せでたまらない私としては、そういった見方があることに最初は驚いたものです。

その中で書いたものがこちら。

 

0810-mister-p.hatenablog.com

 

簡単に脳裏へ奏の姿を描くことができる歌い出しが個人的に好きで、こういった書き出しになっています。

批判意見も色々と読み込み、その上で自分を納得させられる答えも探しました。「内面を歌うことを奏がよしとするのか」という問題については、これを奏がPへと歌う曲だと捉え、奏のPに対する信頼が1つ上の段階に進んだ状態ではないかという答えに着地。

[天光の乙女]+における「どんな衣装を纏っても、貴方だけは、私の素顔を知っていてね…」や、[エンド・オブ・ザ・ブルー]+の「フェイクじゃない気持ち。」など、主にデレステでのここ最近はPに自らの内部を見せようとしているように解釈できると思います。

サビの歌詞に

「もしキスしてくれてたら

 私イヤじゃなかったよ」

ともありますし、これまで相手へと踏み込むことを恐れていた奏が自分から踏み込むことを選んだ。つまり、これまでの姿から一歩抜け出し、自分で前へ進むことを選んだのであれば、これをファンへ歌うこと以外は、奏にとって問題にはならないんじゃないかと思ったのです。

 

もう1つ。

「恋愛映画は苦手 

 なんか恥ずかしい」

の部分。

あの時点ではこの歌詞に疑問符をつける声が多かったと思います。

ただ、これに関しての私の答えは単純。"アイドル速水奏"が使わない表現として直球になったのだと私は捉えました。

回りくどい表現や、知らなければ難解とも思える引用を使う奏。そんな彼女の内心を表す言葉として、あえてそういった表現を避けた。すぐにそう考えたため、私はさほど気になりませんでした。

 

そもそも2曲目が収録されると発表された時点で、作詞・作曲が藤田麻衣子さんと発表されていたわけです。これまでにシンデレラガールズへ提供された曲は「in fact」と「always」。2曲ともバラードですし、普段は言い出せない想いを綴った曲です。

曲を発注する側の考えとして、表現したいモノがあって、それを形にできると見込んでその人へ仕事を頼んでいるわけです。そして実際に収録されるものとして仕上がってきた。つまりは世に出せるものと判断したわけですよ。ならば疑問を感じるような歌詞でもそこには必ず意図はあるはず。

公式との解釈違いとは言いますが、そもそもキャラを形作るのは向こう側。こちらはただ受け取って解釈するしかない。アイマスはPの二次創作を取り入れることもありますが、根幹的なそのことを私は忘れたくない。

もしそこで解釈違いが起こったなら、自分なりに納得できる答えを探すか、あるいはかみ砕いて修正する。それがあるべき形だと思っています。

だから作品への否定意見は好きじゃないんです。そういった想いを抱えた時はブログに何も書きません。私がしっかりと相手の考えを掴むことができていないだけですから。

 

ただ、議論はとっても生産的。

 

こんなことを言った私ですが、フルを聴いた後はどう解釈するもんかと悩みました。

1つは2番始まりの部分。

「叶わない恋もあった」

奏の過去というのは彼女を考える上で外せないものだと思っています。その過去に恋愛絡みの何かがあったとしても別に不思議はありませんし、今回がそれを確定させるものであれば、それはそれで受け止めて色々なものを練り直します。

 

ただ、個人的に奏の失恋経験はしっくりこないんです。[追憶のヴァニタス]やデレステのコミュ1など、匂わせるものはたくさんありますが、どーにもしっくりこない。

何故かって言うと、奏ってその経験値がある雰囲気があんまり見えないから。

駆け引きしてみたり、からかってみたりはよくやりますが、一歩押されたり、予期しない相手の動きがあると弱い。17歳の子ですし、そこまで経験値がある方がおかしいと思われるかもしれませんが、どこか達観したようなところのあるこの子が、失恋によって達観的になったと考えたら私にはあの狼狽え具合が不思議に思えます。

少なくとも、失恋の過去があったとしても相手はかなり近い年代じゃないでしょうか。この辺りは私の考える速水奏の過去についてが絡んでくるので、また機会があれば詳しく書きたいと思います。まだまだ研究中、鍵を握るのは「橘ありす」。

 

少し話を戻しましょう。

フルを聴いても、私が試聴の時点で抱いた2つの疑問は解決できませんでした。

1つは、飯田友子さんのブログにあった「少し残酷にも思えたり」です。具体的にどこが残酷なのか、フルの歌詞を見ても私には読み取れませんでした。

もう1つは、この曲は速水奏があちらの世界に出す曲なのか。私が持つ視点では、どーやっても奏からプロデューサーへと贈るメッセージにしか思えない。「メルヘンデビュー」のように、明確にPが歌詞の中に出てくるものもありますが、あれはセリフ部分を除けばそこまでファンに向けてもおかしくないものです。

ただ、この「if」は対象が明確な1人を表しているように聴こえて仕方がありませんでした。じゃあそれをファンに向けて歌ってもいいものなのかどうか。

 

そんな私は答え探しの旅に出ました。つまりはネットです。同じく奏Pがたくさん考察を投稿されていますからね。ふむふむと頷けるものだったり、ちょっと私とは解釈が違うものもあったり。

そんな中、私にとっての一番の答えをくれたのがこちらの考察でした。

 

速水奏の『if』を考察した まとめ | とある奏Pの独白

 

羽鐘そうしさんの考察です。

ここからはこの考察を読んでいることが前提となる文章ですので、もしここまでお付き合いしてくれているという方がいらっしゃれば、上を先にチェックしてください。

結構な人が反応していましたので、奏Pには読んだ方も多いんじゃないでしょうか。

 

 

曲のタイトルである"if"の意味。私はそこまで大きくとらえることができませんでした。

『もし、「速水奏」がアイドルになっていなかったら』、そのテーマからこの曲を捉えてこうまで色々なピースが嵌まるとは。色々な違和感や疑問が音を立てて崩れていきました。

2番の歌詞、

「もし違う道 選んで

 違う生き方してたら…

 なんて考えたりして

 でも今も悪くないよ」

ここは今の"アイドル速水奏"の目線からずっと見ていました。それが"一般人速水奏"からアイドルになった仮定の未来を見た表現だと捉える。私には逆立ちしても無理だったろう解釈だと思います。

後半の伴奏についての考察もお見事の一言。ラスサビが1番と同じ歌詞だったことへの疑問が解けると共に、改めてインストを聴いて感動しました。この伴奏、ヤバい。

 

 

人に頼った考察になってしまったので、私自身でもこの考察を見て新たに気付いたことを。

「あの日の夕陽 忘れない」

という歌詞が2番にあるわけですが、これがなかなか面白いなと思いました。

if世界の彼女にとって、夕陽がその1つの分岐点となったわけですね。じゃあ"アイドル速水奏"の1曲目が何かって言うと、みなさんご存じ「Hotel Moonsaide」です。

アイドルになった彼女は夕陽のその先、月夜へ旅立ちました。無限大とも言える広大な世界へ。一方、一般人速水奏は夕陽にとらわれたまま。

こう考えたら、ちょっと"一般人速水奏"はかわいそうに思えてきます。上の考察を考える上で、「残酷」という部分を補強するパーツになるんじゃないでしょうか。

 

 

 

以上が私と「if」に関してです。

発売前のデレラジ☆にて、飯田友子さんが、正解がない、自分の事務所の速水奏で楽しめる、そう言ってくれたことがとても嬉しかったですね。この言葉の後押しもあって、この曲に関する考察は大きく盛り上がったと思います。私の中での速水奏像も、ステキな考察を読むことで1つ先へと向かいました。

 

この曲を聴きながら、その歌声の息の抜け方や切なそうな歌声にはやっぱり目頭が…。実際にライブで聴ける日も楽しみにしています。

 

 

今日7月1日を、こうして速水奏について考えながら過ごすことができて良かったなと思います。1日中に書き上げることができて良かった。

昨年書き始めたSSのシリーズもまだ半分しか進んでいません。これから少しでもペースを上げていきたいな。

改めて、これからも私は速水奏を見ていきます。